うおがし銘茶うおがし銘茶

2021.05.14

うおがし銘茶のお茶づくり、
そのこだわりをキーマン3人が語ります。

商品のバリエーションの豊富さは、うおがし銘茶の特徴のひとつ。
近い価格帯でも、香りや味わいの違う商品を複数ご用意しているので、お客様のお好みに合わせて選んでいただけます。

今回は、そんな商品づくりの中心を担う3人に集まってもらい、うおがし銘茶のお茶ができるまでのこだわりを聞いてみました。社長であり、ブレンドを担当する土屋知大。お茶農家さんとのコミュニケーションを担当する工場長の増田道則。火入れを担当する原料管理部長の石田由郎。なかなか聞けないお茶屋の裏方のお話、ぜひお楽しみください。

効率よりも、茶葉の力強さを優先する

――うおがし銘茶が仕入れるお茶の特徴を教えて下さい。

土屋社長:1年に1度しか摘まない「一作茶(いっさくちゃ)」を中心に使うこと、茶樹の枝をなるべく切らずに太く育てる「芽重型(がじゅうがた)」の茶園から仕入れること、ですね。

増田工場長:二番茶、三番茶と何度か摘むのが一般的ですが、うおがし銘茶が仕入れる農家さんは、一作が中心です。お茶の力強さは、生育期間の長さに大きく左右されます。一番茶が良いと言われるのも、前年の葉が摘まれてからのスパンが長いからです。収穫回数が1回だけの一作茶は、それだけ力強いお茶になります。

土屋社長:一作茶の生葉は、見た目にも茎が太くしっかりしているんですよ。芽重型も同じく、分厚く強い茶葉になります。

増田工場長:茶樹の枝は、切ったところから枝分かれして、細い枝が増えていきます。こちらは「芽数型(がすうがた)」と言います。
芽数型は、茶樹の高さが高く、表面積が増えるため、収穫量が多くなります。茶葉の厚みも均一になりやすいという特徴があり、農家さんにとってはメリットが多い育て方です。
ですが、うおがし銘茶では農家さんにお願いして、あえて手間のかかる芽重型で育てていただいています。芽重型のメリットは、枝が増えない分、茶葉一枚一枚の厚みが増します。

土屋社長:枝が密集しないので、葉擦れしにくいのもメリットですね。風が吹いて葉と葉が擦れると、傷が付くし、ひどい場合は千切れてしまいます。そうすると、傷んだ箇所から腐ったり、変色したりして、商品にならなくなってしまうんです。

石田部長:茶葉が分厚く、痛みがないと、火入れの幅も広がるんですよ。強火にかけても耐えられるので、焙煎感のある香ばしいお茶にもできます。

どんなに工夫しても、
茶葉のポテンシャル以上のお茶にはならない

――どうして一作茶や芽重型にこだわるのですか?

土屋社長:お茶の個性を表現したいからです。摘む回数が増えるほど、茶葉から力がなくなります。そうした茶の木で作った新茶は、良く言えばスッキリした味わい、悪く言えば特徴のない味わいに仕上がります。芽数型で育てた茶葉も同じですね。均一でクセのないお茶が作りやすいので、万人受けしたい大きなメーカーさんのお茶づくりにはいいのだと思いますが、うおがし銘茶が目指すところは違います。

石田部長:収穫後の工程でどれだけ頑張っても、原料である茶葉の持っているポテンシャル以上のお茶にはなりません。例えば火入れにしても、茶葉ありきでそれをどう活かすかという観点で工夫するしかないんです。だから、力のある茶葉を仕入れることは何より重要です。

土屋社長:広い商品ラインナップも、茶葉の個性があるからできることです。後味がスーッと引く綺麗で透明感のある茶葉なら、「うぬぼれ」や「とてしゃん」に、深い旨みを持った茶葉なら「天下一」や「しゃん」に、といった具合に。
どの商品がベストということはなくて、お客さんそれぞれに好みがあるので、幅広い選択肢を提供したいと思っています。今は15軒くらいの生産家さんとお付き合いをしていますが、15軒それぞれ違う個性の茶葉をつくってくれています。

増田工場長:うおがし銘茶がおもしろいのは、仕入れた茶葉がどんなお茶に仕上がったかを農家さんにフィードバックしていることです。普通は、仕入れる側も買って終わりだし、農家さんも売って終わりですが、我々は違います。「今年はこれを変えたから、こんな茶葉になった。だから次はこうしましょう」という話をします。そういうことを何年も続けていると、農家さんのほうから「今年のどうだった? 実は肥料を変えたんだよ」という風に聞いてきてくれるようになります。

時間をかけて育む、農家さんとの信頼関係

――農家さんとの信頼関係が重要なんですね。

土屋社長:それは何より重要ですね。お金をたくさん出すからいいお茶を買いたいって言っても、買えるものでもないんです。本当に良いお茶って、市場に出回っていませんから。やっぱりそこは、間に誰かを入れるんじゃなくて、農家さんと直接コミュニケーションしなきゃ手に入らないんです。

増田工場長:農家さんとしても、個性の強い茶葉をつくるのは不安なんです。一般的な育て方をして、クセのない茶葉をつくったほうが、いろんなところから買ってもらえますから。そこを曲げてもらうには、うちが必ず買うから、あなたの畑の茶葉がほしいから、としっかり伝える必要があります。毎年毎年、お付き合いを続けながら、信頼関係を積み上げるのが私の仕事です。

石田部長:そこの部分は、本当に良い関係を築いてもらっていると思います。昔は今よりもいろんな農家さんから買っていたんですが、そうするとやっぱり全部がいいものという風にはならないんですね。火入れにしても、どうにもこうにも難しいものというのもありました。今は、香りや味わいの個性はあれど、質的には安定したものが入ってくるようになったので、非常に商品づくりがしやすくなっています。

増田工場長:私は、農家さんと我々の関係は、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)のようなものだと思っています。両方を上手く織り合わせることで、強い生地になるように、お互いを尊重し合うことではじめていいお茶ができるんじゃないかって。
我々はこんな茶葉がほしいという希望を出しますが、それなら自分たちで茶畑を1年間管理してみろって言われても、やっぱり農家さんみたいにはできないんですよね。茶葉をつくってくれる農家さんと、それを商品に仕上げる我々、それぞれが役割を果たす必要があります。

暖かい気候に育まれた新茶は、濃厚な味わい

――今年のお茶はどんな仕上がりですか。

増田工場長:優しいお茶ですよね。今年は。

土屋社長:暖かい年だったから、味はいいよね。暖かい年は葉の育ちが早くて、味が濃くなるんです。だから今年の茶葉はすごくいいという人もいますよ。ただ、香りがちょっと弱いので、うおがし銘茶のお茶づくりの観点では、ちょっとむずかしい年です。寒いなかでゆっくり育った茶葉のほうが香りが強くなるんですよ。うちは香りで差別化しているので。他所のお店と一番違うのはそこですね。

石田部長:他社は甘み、旨味、水色を重要視するお店が多いですもんね。うおがし銘茶は香りです。香ばしい焙煎の香り、新茶の香り、品種の香り・・・。香りで商品の特徴を立たせています。

土屋社長:今年はその辺を表現する難易度が高そうです。その分、味は乗っているのでそこを楽しんでほしいですね。

――気候で香りや味わいが変わるんですね。

土屋社長:その辺はワインのヴィンテージと同じですよ。飲む方には分かっていただけると思うんですが、ブルゴーニュに喩えたら、今年のお茶は2018年です。去年のお茶は2017年ですね。2018年は暖かい年だったので、果実味が強くて、濃厚な出来でした。パーカーポイント(アメリカの著名なワイン評論家、ロバート・パーカーJrによる採点)もすごく高かったですね。2017年は暑すぎず、寒すぎず、程よい気候だったので酸と果実味のバランスが良い仕上がりでした。ブルゴーニュが好きな人は、2017年のほうがブルゴーニュらしくて好きだと思います。

石田部長:お茶と似てますね。

土屋社長:二人は飲まないから分からないよね。でも、お酒じゃなくてもいいから、日本茶以外の飲み物をたくさん飲んだほうがいいよ。味の作り方とか、商品としてどう魅力的に見せるかの勉強になるから。
脱線しちゃいましたけど、今年の新茶は味の深いものになると思います。ぜひ飲み比べてほしいですね。

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